<<ダブルバズーカANTの解説と製作方法>>
ダブルバズーカアンテナ、皆さんも一度くらいはこのアンテナの名前は聞いた
事が有ると思います。
今回このアンテナを実際に製作された JN1DNG 川村 さんからレポートを
頂きましたのでこのアンテナの製作過程を皆さんにご紹介します。
ダブルバズーカアンテナの説明および計算式と実際の長さを示した表をお届けします。 見た目には1/2λダイポールアンテナと同じですが、同軸ケーブルでおのおのの周波数に同調したセクションを有していて、高調波成分や不要な周波数成分の輻射が押さえられてインターフェアー対策にも有効なようです。 また、普通のダイポールと比較して同調している部分があることによってそのバンドだけが効率よく輻射されるので、使ってみるとダイポールより若干ゲインがあるような感じを受けます。 このアンテナは、希望周波数の奇数倍に当たる周波数も同調するので、たとえば7M用の場 合は21Mでも使えるようです。 ただ、21Mの場合は21.6M位に同調しますので完全とはいきませんがカプラ併用で十分使用に耐えます。 3.5M用の場合は、18Mがとても良く乗ります。 私のところでは3.5M用で18MにおいてSWR=1.2・Imp=50Ωでベストマッチしていますし24MはSWR=2・Imp=70Ωで何とか使えます。 24Mにおいては25.6MHz付近で最良な状態になります。 このダブルバズーカアンテナは帯域も広くとれて、周囲に何もないような条件の場所に設置すれば、7M用の場合地上高が10m位でしたらバンド内がSWR=1.2〜1.3以内に収まります。 難点といえば難点(当たり前のことですが)ですが、普通のダイポールですと例えば7M用で3.5Mや14Mを受信した場合それなりに入感しますが、このアンテナは1/2や2倍といった偶数倍に当たる周波数ではかなり受信感度が低下します。 これは同調型のアンテナのためゆえです。 張り方ですが、全くの水平ですと給電インピーダンスがダイポールと同じように75Ωに近づくのでむしろ逆Vの方が給電インピーダンスを50Ωに近づける意味でBetterです。 もちろん水平でも問題はありませんのでCase by caseで架空してください。 |
<<製作方法>>
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製作方法は別表に表す同軸長に対して7cm長く同軸を切断します。
これは同軸の加工シロを考慮に入れるためです。
同軸の先端6cmの被覆を剥きます。
網線を1cm程残し約5cm絶縁部分を出します。
中心導体=芯線を約2cm剥きます。
左右のエレメントを互いに交差し絶縁部分を合わせ、おのおのの芯線を反対側の同軸ケーブルの外被導体(以下網線)に接続します。
給電はこの左右の網線部からリードを出して1:1のアンバランス・バランス変換バラン(50Ω用)に接続します。
これは普通のダイポールANTと同じです。
同軸の先端部は約1cmほど剥き、さらに芯線の絶縁部を剥いて網線と芯線とをショートし、ここから不足分のエレメント(追加エレメント)をつなぎます。
追加エレメントはIV線やビニル電線で結構です。
調整はダイポールアンテナと同じ要領で、追加エレメントの先端の長さを調整します。
従い追加エレメントは若干長めにしておくほうが良いでしょう。
しかし、このアンテナは帯域幅が広いので下記の表の長さでそのまま作っても、ほぼ無調整でイケると思います。
私の場合、アンテナの先端の絶縁物は波形ガイシなど高級なものは使っていません。
ホームセンターで売っているプラスティック製のクサリ(鎖)を1mづつ用意して、ここに計算値のエレメント長より短めに結び余った部分は鎖の中を通しておくことにより見た目にもスッキリ仕上がりFBです。
鎖に結んだ先端部分がいわゆるヒゲの部分が調整用の部分です。
追い込む場合はこのヒゲの長さを調整し、余った部分を通してThat's all rihgt です。
給電部・エレメント接続部は自己融着テープなどで防水処理します。
給電部、バランへの接続線は正確にはアンテナエレメントの一部になりますのでできる限り短く処理してください。
10〜15cmでしたら大丈夫でしょう。
調整はアンテナエレメントの先端の長さで調整しますからさほど神経質になる必要はありません。
使用する同軸ケーブルは50Ω・52Ω系の同軸ケーブルでしたら何でも結構です。
50Ω系では3D−2V・5D−2V・3D−2W・5D−2Wなど、52Ω系ではRG−58/Uetcです。
発泡系のFBケーブルは変形や強度面などで避けた方がよいでしょう。
1KW以下でしたら3D−2VやRG−58/Uで十分です。
<<計算式>> |
波長λの求め方 λ=300/f(MHz) m ※ 同軸ケーブル部分の長さ(片側エレメント) Lcoax=(λ/4)×(同軸ケーブルの速度計数) 2V・2W・RGタイプの50/52Ω系同軸ケーブルの速度計数は理論値で0.67ですが実測値で各メーカーの同軸ケーブルとも0.64〜0.66に分布しているので0.65で計算するほうが良いでしょう。 FBケーブルの速度計数は0.8程度です。 下表の計算値は0.65で求めています。 速度計数が異なる場合は計算 式の0.65を変えてください。 片側アンテナエレメントの長さの求め方 Lelement=(λ/4)×(短縮率) m アンテナ短縮率は架空高にもよりますが理論値では0.97とされて いますが、λ/2以下の高さでは0.95近辺が良いでしょう。 下表の計算値は0.95で求めています。 短縮率が異なる場合は計算式の0.95を変更してください。 ※ 同軸セクション以外のエレメント長(片側エレメント) Lwire=Lelement−Lcoaxm |
<<片側エレメント長の計算表>> | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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<<余談>> |
私の場合、当初の考えでJN1DNGは運用パワーが1KWということと、バンド巾を少しでも広くとりたいたいという理由で7メガは5D−2Vを使用しています。 しかし、考えてみればエレメントにしている同軸ケーブルの中心導体には高周波電流は流れないので3D−2Vでも十分のようです。 3.5Mは片側14mの同軸ケーブル長になるので3D−2Vで仕上げましたが、1KW位のパワーでは全く問題はないようです。 JA2QXY、7Mは普段25mHの3エレ八木(5KW仕様)を使っていますが、国内用に5D−2Vで作ったダブルバズーカが張ってあります。 |
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