【グラフ10】

記号 F H
周波数(HZ) TS850 LSB TS850 USB FT1000MP
Filter LSB
FT1000MP
Filter USB
455 2.7 2.7 2.4 2.4
8.83 2.7 2.7 2.8 2.8
条件 FLAT FLAT FLAT FLAT
低域側CUTOFF 300 350 200 260
高域側CUTOFF 2800 2800 2720 2800
帯域幅 2500 2450 2520 2540
平均帯域幅 2475 2530
オリジナルからの帯域幅格差(Hz) 2475 2530
購入ノーマルの2.7K-2.7k
からの帯域幅格差(Hz)
0 55
備考 購入時ノーマル Filter mode(Wide)
キャリアポイントは
メニュー設定値で-130
. . *FT1000MPは低域が少し伸びている
*高域のカットオフはほぼ同じ

 

TS−850のオリジナルの特性とFT−1000MPのFilterモード(ハイフレはWideFilter装着)
との帯域特性比較( F VS H )

@ これはおまけの比較ですがTS−850オリジナルとFT−1000MPのFiler(ハイフレWideFilter2.8K装着)
のフィルタ同士で比較すると高域側のスカートは似たようなカーブを示します。
A FT−1000MPの帯域はWideを装着してあり、キャリアポイントを少し内側に寄せている(−130)ため
低域が少し伸びていると考えられます。
(FT1000MPはLSBとUSBのバランスが悪く調整する必要があります)








−−−−−−−−−−−−−総合考察−−−−−−−−−−−−−


@ 455KHzでジェネレートしているのでやはり455Kzのフィルタの特性の影響が支配的になるようです。
従って、ジェネレート側に特性の良いフィルタを入れる方がベターであり、ハイフレのフィルタは455と同じ幅か少し広めのほうが良い結果が得られると思われます。
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A 更にフィルタを縦連するよりは特性の良いフィルタを単独で(スルーで)使った方が特性的には良いのではないかと思います。
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B 帯域は広い方が情報量が多くなり、確かに3Kの帯域を守れば広いフィルタの方がベターでしょう。
しかし、実際に音を聞いた限りでは帯域は狭くとも低域と高域のバランスが肝要でありそれぞれの肩特性がポイントであるように思われます。
特に低域では声質にもよると思いますが、20Hz〜30Hzカットオフ周波数ががずれるだけでモニタ音は変わってしまいます。
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C このような結果から何が考察できるのか微妙な所ですが、フィルタを換装することによって、結果としてこのように帯域の特性を変化させることは出来ます。
しかし、この実験はあくまでもAudioSGの信号を入れています。
このように帯域が変化することもさることながら、実際の運用では人間の声が入ります。
それはマイクロホンとの相性に始まり、マイクとの距離、低域・高域を伸ばす事による振動音、ファンノイズ、ハム音等のバックグラウンドノイズの抑制(S/N)、適切なAFGainやRFpowerGain設定(歪)、そして何よりも言葉の発声の仕方やオペレート姿勢を見直すことも帯域を変化させる以上に大切な要素かもしれません。
SSBの「帯域3Kの呪縛」や「音質」に対する考え方は様々で、送信音質のクォリティーはフィルタの帯域で決まるものではありませんが、帯域の異なるフィルタを縦連した場合に併せた特性は実際どうなるのか?まともな測定器の無い環境に加え稚拙な手法で今回のデータを実験的に取ってみました。
一例として何かのお役に立てば幸いです。
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. −−−−−−−−−−その他−−−−−−−−−−
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@ 微少レベルはオシロで採ったがー40dBを超えるあたりからノイズに埋もれてこれ以上の測定は出来ませんでした。
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A 微少領域のノイズレベルについては波形を見ていてTS−850よりFT−1000MPの方が6dB位良いように思いました。
TS−850は若干ノイズがある感じです。
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B TS−850のオリジナルの455の2.7Kのセラミックフィルタ(K−12)はスペアナで観た所約3Kの帯域幅でした。
両サイドのスカート特性も見事に異なっていました。
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. −−−−−−−−−−疑問点−−−−−−−−−−
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@ 低域側は比較的綺麗に切れるのに比較して何故高域側は緩やかな傾斜になるのか?
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A TS850は455KHzと8.83MHzのフィルタを各2本装着できますが、この4通りの組み合わせ毎にキャリアポイントをメモリしているかどうかは不明です。
 
                                                         TNX JR1DIK